醒脳開竅法は、1972年に天津中医薬大学第一付属医院の石学敏師を中心に開発され、主に脳卒中後遺症の治療に応用されています

この治療法は伝統中医理論を基に、現代医学理論・臨床実践を経て確立されたものであり、これにより脳卒中前兆・後遺症・合併症に対する系統的な治法、処方、操作法が確立しました。

醒脳開竅法は主に脳卒中の急性期に発生する意識障害と後遺症に対する治療法で、現代中国では最も有名な脳卒中の鍼灸治療法の一つです。石学敏教授や中国最大規模の鍼灸科で数百人もの医師が数百万人の患者さまに対して、40年以上に及び実践してきた治療法で、伝統中医理論を基に、現代医学理論・臨床実践を経て確立されたものであり中風の前兆、中経絡、中臓腑、中風の後遺症および中風による失明、聴覚障害、嚥下困難等11の合併症と後遺症に対して、系統的にまとまった治則・処方・操作方法及び看護基準を確立した。
1972年〜1988年の17年間に、入院治療患者総数2959例の脳血管障害患者さんに対して醒脳開窮針法による治療がを行って、以下の結果が出た。その際の総有効率は96.42%だった。


いま、この醒脳開竅法という治療法は理論と臨床とともに中国の鍼灸界の脳卒中治療の根本になっています。
脳卒中については、約二千年前の中国で「黄帝内経」という古典医学書の中にも記載されました。その理論は発展は初期から完成に至るまで、中国鍼灸発展史の全過程と相通じている。脳卒中を“撃仆偏枯(げきふヘんこ)”と呼んでいます。撃仆 とは突然の卒倒、偏枯は半身不随のことです。脳卒中になることを「中風」と言います。「黄帝内経」の中にも 中風や偏枯に対する非常に高度な鍼灸の治療法が書かれていてます。鍼には筋肉のこりをほぐす強い作用や、血液や体液の循環を良くする効果を持つことも科学的に証明されています。

治療著効好転無効死亡
症例1698例542例613例47例59例
比率57.38%18.32%20.72%1.59%1.99%

(“脳血管障害の針灸治療”抜粋)


どんな症状に効果があるのか
上記で述べたように、脳卒中の急性期に発生する意識障害と後遺症に対する治療法です。
手足の運動障害
感覚障害
嚥下障害
しびれや神経痛
などに効果がみとめられます

いつからはじめるのが良いか?
リハビリも早ければ早いほど効果的ですよね。鍼灸も発症早期の方が治療効果が高いといえます。ただ発症してから年月が経っていても治療は有効です。

実際にどんな治療法か?
内関・人中・三陰交等の主穴(主に使うツボ)と副穴(それぞれの症状にあわせて使うツボ)に鍼をします。場所的に、また鍼の操作的に刺激が強く感じます。