腰痛(+副次的効果としての便秘&下痢解消)
慢性腰痛は、たぶんすごく多い疾患ですよね。原因としては、運動不足、お仕事柄、不良姿勢、身体の一過性の酷使、外傷等様々に考えられます。
“どんな時に”
“どんな姿勢で”
“どんな動作で”
“どこが(片方か両側か、腰かお尻か下腿かetc)”
などにより、痛めている筋肉が変わってきますので、ぜひ腰痛の方はいらっしゃる前にご自身がどんな時にどこが痛むかをメモか記憶しといて下さい。その方がより効果的な治療が可能になります。
腰痛の場合の原因の筋肉は、大腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋群、腸骨筋等が考えられますが、注意してほしいのは、腰痛を訴えてくる方の中には、原因が腰や背中ではなく、股関節が悪い方がいます。
その場合、腰痛とともに股関節の治療も同時に行っていくことになります。
便秘&下痢解消
因みに、腰、大腰筋に鍼をすると下痢や便秘が解消されたり、鍼をした後にデトックスのように一気に排出されることがあります。それは胸腰椎から出た自律神経が大腰筋の中を通ってることに関係しています。
腰深部の筋肉が凝り固っていると、腰の筋肉を通っている自律神経が筋肉に締め付けられるようになります。その締め付けが強くなると自律神経が完全に締め付けられてしまいます。すると腸の蠕動運動が過剰になったり低下し腸が動かなくなってしまい、下痢や便秘になってしまうことがあるんです。
そのため、大腰筋に鍼をし緩めると正常な神経伝達に戻るため、下痢や便秘の解消になることもあります。
便秘でお悩みの方は、ご相談下さい。早い方で1回目で効果を実感でき、遅い方でも5~6回治療をすれば効果が実感できると思います。
股関節痛
成人の股関節痛の中で最も多いのは、変形性股関節症です。
股関節症の主な症状は、関節の痛みと機能障害です。最初は立ち上がりや歩き始めに脚の付け根に痛みを感じたりします。また痛みがなくてもあぐらが開かなかったり、脚の付け根に違和感を感じたり動きが悪くなってきます。
関節症が進行すると、その痛みが強くなり、場合によっては常に痛んだり夜寝ていても痛んでくるようになります。
痛みを訴える場所は主に、鼠径部や大腿前面や殿部後面です。
また、股関節と腰椎は連動しているので、股関節の不具合を骨盤や腰部でかばうことも多いため(無意識、意識ともに)、腰痛になる場合も多いです。
ただ変形性股関節症は、年齢を積み重ねていけば誰にでも起こり得る疾患です。股関節は大腿骨(太ももの骨)の先端にあるボールの形をした大腿骨頭と、骨盤側の大腿骨頭の受け皿になるお椀の形をした臼蓋で形成されている関節です。普通に歩くだけでも股関節には体重の3~4倍、走った場合5倍近くの負担がかかっています。そのため関節を支えるために筋肉や腱、靭帯で覆われており、安定性を保ったまま様々な方向に動かすことができ、関節の衝撃を吸収する役割のある関節軟骨が関節を覆っています。
そんな強靭で弾力性のある関節軟骨が加齢や肥満、過度の運動に伴い摩耗し、関節にかかる衝撃を吸収しきれず痛みが出てきます。
他にも股関節痛の原因にはリウマチ性股関節症、骨頭壊死や大腿骨頚部骨折などが考えられます。
違和感を感じたら、一度レントゲンをとってみるのも良いかもしれません。人工股関節になる前にぜひ治して下さいね。
なお、通常の鍼が刺さらないぐらい筋肉が固まっている場合は、治療をはじめて1ヶ月ぐらいは逆に痛みがひどくなります。また普通の鍼が入るようになるまで1年近くかかるケースもありました。
因みに、股関節の治療は、腰~殿部にかけて鍼をしていくことになります。殿部にさすので、何気にヒップアップ効果も期待できたりします♪
ぎっくり腰
急性腰痛症、通称〝ぎっくり腰〟は、腰痛が発症してから4週間以内のものを指します。これは、重いものを持ち上げたときや腰をひねったりしたときなどで突然生じ、しばらくは動けないほどの痛みにおそわれることが特徴です。
ただぎっくり腰は筋肉の疲労や骨格のゆがみ、突然の過負荷、年齢等様々な要因が考えられ、はっきりとした原因が判明してはいません。
ただ気を付けておきたいことは、急激な痛みの原因が椎間板ヘルニアや圧迫骨折、何らかの病気の可能性もあるということです。原因が分からないうちは、怪しいなと思ったら自分でぎっくり腰だと判断せずに一度医療機関を早めに受診してみましょう。
北京堂ではぎっくり腰を〝大腰筋の痙攣〟とみなします。これは古典に「前屈みになって腰が伸ばせない」と書いてあるためです。大腰筋は背骨と大腿骨上部を繋いでますが、それが痙攣して縮まると大腿が引き上げられて前屈みになります。しかも大腰筋の上部は胸椎についていて、横隔膜に接しているため咳やくしゃみをすると横隔膜が激しく動き、それが大腰筋を刺激して痛みます。くしゃみや咳をして痛いぎっくり腰の際は、すぐにお電話下さいね。
他に、腸骨筋や脊柱起立筋、腰方形筋、梨状筋、中殿筋等によるぎっくり腰の場合は治療可能です。
ぎっくり背中
肩甲骨と肩甲骨の間や腰の上までの間の関節と筋肉に炎症が起き、背中に痛みが出ることがあります。
ひきつる様な感覚や寝違えの時のように一定の姿勢をとるとぴきーっとした激痛がしたり、ぴりっとした電気が走った様な違和感から少しづつ痛みが強くなるケース等症状には個人差があります。
無理な体勢をしたり、姿勢や運動不足による血行不良、冷えや骨格のゆがみ等原因は様々です。
ぎっくり背中の場合、背中の真ん中の筋肉、脊柱起立筋に鍼を刺します。
頭痛
鍼灸で血管性の頭痛、症候性頭痛は治療できませんが、それ以外なら治療可能です。
(今までに経験したことのない痛みや痺れがある、呂律が回らない等といった症状がある場合は、まずは病院で検査をオススメします。)
血管性頭痛は頭全体が痛くて痛む部位を特定できませんが、他の頭痛は眼の奥が痛かったり、側頭部が痛かったり、冠をかぶった様な位置が痛かったり痛む部位がはっきりとしています。
このような片頭痛や筋緊張性頭痛の方は、首や肩が凝っている場合が殆どです。片頭痛に関しては、血管が拡張されることにより起こるともいわれなかなか完治は難しいですが、片頭痛が起こる回数を減らしていくことはできますし、筋緊張性頭痛に関しては完治が見込めます。
ロキソニン等の薬を飲むとすぐに症状が治まるので頭痛でわざわざ治療…と思われるかもしれませんが、薬の飲み過ぎは肝臓や腎臓を悪くする危険性もあるため、対処療法ではなく早めに原因を治療することをおすすめします。
尚、重症の方の場合、まれに治療後に血流が良くなることで頭痛がでることがあります。
心配はいりませんが、痛みが強ければ、軽い痛み止めを飲んで頂いて大丈夫です。治療当日は安静にされて下さいね。